話題は再び、良宵にもどります。
いの2019



 劉天華大師は江南の人ですが、二胡の教育者として名を馳せ、1922年に北京大学音楽伝習処、北平女子文理学院音楽系、そして北平芸専音楽系 で教鞭を執ります。

 1922年、民国11年、
 まだまだ国民党内の内紛は絶えず、武力衝突なども起こっていた時期。
 そんな不安定な政局を映すように、河南省魯山で飢饉に苦しむ民衆が蜂起。軍に鎮圧されました。


 一方では漢族の文化復興的な雰囲気が流れて、文学や芸術、学問は清時代とはくらべものにならないのびのびとした雰囲気にあったようです。
  
 劉大師もそのなかで、主に教育者として、民楽の楽器を用いたニューウエイブ音楽を切り開き、創造しようとしていました。
 そして北京滞在中に他の二胡や琵琶の教則曲が作曲されました。

 「良宵」が創られたのもちょうどこの頃、北京滞在中のことです。



 同時期、欧米ではワシントン海軍軍縮条約締結する一方で、ソ連はスターリンが書記長に就任、イタリアではムッソリーニが首相に。
 なんだかきなくさくなってきます。

 日本は大正11年、アルバート・アインシュタインが来日したり、労働組合や政党が発足したりで、ほんの一時いわゆるリベラルな空気も流れ、大正モダニズムと呼ばれる、都会的で小洒落てオシャレとしての退廃趣味などが、文芸やアートや表演芸術の分野で独特のカルチャーを生みだしていました。





 中国近代の文豪・魯迅が日本に留学していたのが1902年。清も明治も最末期です。
 魯迅は南京で理系の大学で学んだのち、新しい時代に役立つ仕事として医学を志した人です。
 劉天華大師の江南時代にもしかしたらどこかですれ違っているかもしれません。

 魯迅先生がばりばり理系男子だというのは最初すこしびっくりしましたが、
 森鴎外氏ももとは医者だし、人間の機微のなぞを描くという意味で、科学者が文学者になるのは自然な流れなのかも。


 そして、そしてです。
 ふと思うと、なんだか劉天華大師も本質理系だったんじゃないかな?????…

 幾つかの、聞き用によってはとてもメカニックな感じのする練習曲や
 なんだか理屈っぽいソロ曲や

 「空山鳥語」がまるでハーモニクスという物理現象がおもしろくて書かれたんじゃないの?って印象を思うと、
 ますます、劉天華=理系男子(しかも物理系)疑惑が深まるのでした。

 …長身のメガネ男子だし。
 二胡の講義しながら、学生が間違うとちぃっと顔をしかめてメガネくいっとか

 でひとたび即興やりはじめるとマッドサイエンティストの如く、とか。



 あっ!!!大師、すみませんすみません(^◇^;)。





 とまれ、大晦日にはそんな劉天華大師を想いながら
 良宵を弾きましょう〜


(参考文献:李元慶 劉天華小傳/劉天華創作曲集 人民音楽出版社 1954年)

いの2019


「良宵」
(liang xiaoりゃんしゃお)を弾く
大晦日
年の変わるころに
良宵を弾く‼️

ただそれだけです。

場所の指定もなく
集まるわけでもなく
弾きたい人が年越しの時にいる場所で。

年齢性別職業国籍二胡歴一切不問
他楽器OK、鼻歌OK、
オリジナルアレンジversionOK
エア二胡脳内二胡OK、
なんなら最初の四音だけでも 

申し込み/報告共に不要、
会費無し。
似た趣旨の他の演奏企画と掛け持ちもOK。

とにかく、
大晦日なので
せっかくだから良宵を弾こうと。

二胡な方々は
毎年続けていると、確実に上達がわかる…と思います(^.^)。

必要なものはありませんが、
弾いているときに
いま
どこかで未だ見ぬ二胡同志が弾いているかも
と思ったら楽しくなる、
そんな想像力があるとよいかもしれません。

どうぞ、二胡とあそぼう
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どうぞご参加下さい。


この曲は現代二胡の父である
作曲家で教育者の
劉天華氏が
大晦日に親しい人の集う宴席で請われて
即興で作曲し演奏し大喝采をあびたと伝えられています。
その時席にいた天華師の高弟が記憶して譜を興し
今に伝わっています。
劉天華作品の魅力の一つである
のびやかな自由さがあふれる
間違いなく二胡の名曲中の名曲です。


いの2019



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